この記事は、ピアハーモニーが主催する第1回患者スピーカー講演会(強皮症患者からアンメットニーズを伝える~患者視点をもっと医療に~)の要点とスピーカーとして登壇するまでの研修をまとめた記事になります。
【第1回患者スピーカー講演会の詳細】
■主催:株式会社ピアハーモニー
■日時:8月24日(木)13:30-15:00
■講演会名:強皮症患者からアンメットニーズを伝える~患者視点をもっと医療に~
■内容:強皮症患者さんのスピーチ
患者スピーカー講演会の意義と目的
難病や希少疾患に関する情報の不足や患者の孤立は、多くの患者さんやその家族が直面する深刻な課題です。しかし、その中で「患者の声」が、希望の光として、医療の発展や社会の理解を促進する重要な役割を果たすと考えております。ピアハーモニーは、この課題に真正面から取り組むため、患者さん同士の交流の場を提供し、彼らの声を医療現場や製薬会社に届ける「患者スピーカー養成プログラム」を実施しています。
患者スピーカーの研修内容(患者スピーカー養成プログラムとは)
誰もが初めから完璧なスピーチができるわけではありません。そのために、患者スピーカー養成プログラムでは、約2時間×3回行われ、自身の経験を物語として語る技術を習得していきます。
- 物語りの掘り起こし
まず、ペーシェントジャーニーマップを使って、自身の病気との関わりや経験を深く振り返ります。このステップで、他者に伝えるための自身の体験を振り返り自身の病気への理解を深めます。 - 他人の物語りを聞く
他者の経験を理解することで、より幅広い視野を持つことができます。このステップで、自身の物語りを深堀するうえで気づきを得ることができます。 - 物語りに興味を持ち質問する
他者の物語りに関心を持ち、質問をすることで、自身の情報や感情の詳細を引き出します。 - 自身の物語りを語る
ここで、自分の経験や感じたことを効果的に伝える技術を磨きます。具体的な実体験や感情を、他者に伝わるように話す方法を学びます。
強皮症患者さんのスピーチ
研修を受けていただいた患者さんのスピーチは、混乱の真っ最中に不安や恐怖を体験しながらも、それを乗り越え、前を向いていくというような、とても勇気づけられる内容ばかりでした。
あやなさんのスピーチ要約:転医を機にもぐら生活から地上へ
あやなさん
あやなさんは、かつて美しい肌を持ち、国会議員秘書として働いていたが、強皮症という難病に罹患。この病気により彼女の外見や生活は大きく変わった。病気の初期症状は、息苦しさや倦怠感で、徐々に体の痛みや皮膚の硬化が進行。新型コロナウイルスの影響で、初期の診断が遅れ、病状は悪化。治療の過程で多くの薬を試し、副作用や治療の変更を経験。病気の影響で仕事を退職し、経済的不安、精神的な困難を乗り越える中、強皮症患者さんピア相談室コミュニティでのサポートや新しい主治医との出会いが彼女を支えた。現在は病状が安定し、再び社会に踏み出そうとしている。彼女の経験は、病気との闘いや治療の重要性、そして社会のサポートの大切さを伝えるものである。
TIROLさんのスピーチ要約:失われた心の炎を取り戻す
TIROLさん
北海道出身のTIROLさんは、幼少期からの自然愛とスポーツへの情熱を持ち続けていました。特にクライミングは彼女のライフワークとして多くの場所で経験を積んできました。しかし、突如体の不調を感じ始め、多くの病院を受診するも原因がつかめずにいました。最終的に「全身性強皮症」という難病と診断され、その衝撃とともに彼女の人生は一変します。病気との闘いの中で、同じ病気を持つ人々とのつながりやサポートを求め、難病患者会や強皮症患者さんピア相談室コミュニティに参加。そこで得た情報や経験は彼女の生活の質を向上させ、再び希望を見出すことができました。今、彼女は病気と共に生きることの大切さを知り、新たな人生のステージに挑戦しています。彼女の物語は、病気との闘いやサポートの重要性を伝えるものである。
次回の患者スピーカー講演会
第2回の講演会は以下で実施を予定しております。是非多くの方のご参加をお待ちしております。